感情に訴えかける展示

<これまで>
楽しい学校行事の展示
楽しい季節展示
楽しい映画展示
生誕**年展示


さて、行事や季節などを取り上げてきましたが、生徒が興味を持ちやすいものはなんでしょうか。
わたしは、いじめとか友人関係とか。
成績、恋愛、友人関係、オシャレ、タレント、部活、が大部分なのではないか、と思います。
なぜなら、生活の中心が学校で、その小さな中での攻防(といったら大げさですが)が世界であることが多いからです。
それらを直接取り上げても良いのですが、その世界でどういう風に生きているか、闘っているのか、というのが彼らではないかしら、と思っているのです。


そういった生徒たちには、感情に訴える展示が良いのではないでしょうか。
例えば、六情と言われる6つの感情が人間には備わっている、ということを言われたりします。
喜び / 怒り / 哀しみ / 楽しさ / 愛しみ / 憎しみ
こんな感情が基本にあって、それが複雑に重なり合っていろいろな行動を起こしているんでしょうねえ。
げにむずかしき人間の心。


では、本と感情をどう結びつければいいのか、ですが、とっても難しいなあと思います。
だって本から受け取る感情、本を読んで生まれる感情は人それぞれだからです。
泣ける、とか切ないー、とか、いやいやそれよりも脇役が渋い、とかいろいろな感想を得るのが本だからいかんともしがたいでしょう、と思ってしまいますが、そこはこちらで断定します。
読んだ後にそれを語り合うのも良いのでは?と思っているところなので(^^;)


「悲劇の本」
とかにしてしまうと壮大にネタバレしてしまうので、ここは「喜びと悲しみ」とかでお茶を濁してみたり。

これは有名すぎてアレですが、こういうのも混ぜます。
2から読んじゃった。でも面白い。
周りを見て、自分を大切にする、このバランスがとれてる人ってそんなにいないんじゃないかな。
いろんな人がいて、必要とされているから世の中回ってる。たとえ自分にとっては気に入らなくとも。
そのなかで開いていく、幸せである道を進みたいと思わせてくれた。
こういうのとか。
「すかっとしたい本」だったら、ミステリーとかハードボイルドとか勧善懲悪とか喧嘩とかかしら。
やっぱこの人のおもしろいわー
こんどは元spが出てくる。あと奇人も。
終盤になってクイーンがわかるのはほんとにスリリングだった!
やっぱこういうの好きやー
いまのところあたしが好きな本しか出してませんが。
方向性としては感情です。
テーマごとの展示はやりやすいですが、本を読んだ感情を捉えるのは難しい気がします。


憎しみなら、こんなのとか。これとか。
これは大変な話。こころに訴えるパワーが大きすぎて太刀打ちできない。
幸せの記憶が人間の土台になる、というのは本当に感動した。
私も素直に誰かに助けを求めて、そして助けたりしながら幸せに暮らしたい。なにかおかしなことも起きるだろうけれど、なんとか上塗りしたりして、笑っていたい。
主人公は最後に、「ママはもう素直にだれか子供なんかに席をゆずってもいいと思うことができなかったのだ」、と気がついて、そこで許し、というか哀れみをもつことで本当に幸福になれたと思えた。
私は、なにか目の前で起きている事件にとらわれたりしがちだけど、身体が言うことや、幸せの記憶があれば生きていけるかもしれない、と思えた。
などなど。


大切ことは、いろいろな本を生徒に紹介することです。
感情ラベルを付けて、むりやりでも普段手にしない本を読んでもらいたい、というのが展示の目的のひとつじゃないかしら、と思っています。
読める子は「なんじゃこのわけかた」とか思うかも知れません。
それでもよいと思います。
興味を持たない子が、ある程度予測しながら本を読み切って、何かを感じられるなら、無理矢理でも興味を持たせる感情を使わない手はないと思っています。


これでとりあえず5/5まで埋めることが出来ました。
また、以下のような展示のアイディアがあります。
功利主義者の読書術 (新潮文庫)
佐藤 優
新潮社
発売日:2012-03-28
これがかなり無理矢理関連系の読書指南書でした。
どんな話なのやら!?と思っていましたが、色々な本を功利主義的、露西亜的、外交官的に結びつけて無理矢理学習させられた印象を持ちました。
でも興味の持たせ方としては参考になる部分が多々あったと思います。


なんでも本に関連させていくと良いと思います。
やれば反応があるので、それを受けて変えてゆけばよいのですよね。