教育実習生への図書館支援

<これまで>
教育実習生の図書館利用
教育実習生が帰っていきました。

研究授業にはたくさんの教員が参加して、なかなか評判のよいものもあったとのことです。
前回書いた内容では、なんとなくしかわからないじゃないか、というお言葉をいただいたので、もうすこし詳しく書こうと思います。



図書館側としては、「教育実習生も教員と同様に奉仕対象として含む」というスタンスをとりました。
そのために、図書館利用カードと図書館利用案内を配布したわけです。
図書館利用カードは2、3週間のみの使用となるため、一時貸与という形にしました。
そのため、、実習前の全体オリエンテーションの際に配布して、実習が終わったら返却するように、と実習生、担当教員に伝えました。
返却率は99%です。1人まだ返却していないんですよねえ。どうしたものか。


図書館利用案内は、前掲同様、教員向けのものを手直しして配布しました。
内容としては、1〜2pから。

まず、学校図書館の設置理由、役割を記載しました。
図書館はただの書庫ではないことを強調すること、また公共図書館ともちょっと違うことをアピールします。
次に、人的サービスとして大事なレファレンスサービスの存在を強調します。
司書や司書教諭は、ただ本の場所を教えてあげるだけではないんだよ、授業の相談にものるし、場合によっては他図書館から資料を借りたりもするよ、というのです。
あとは「しりごみしないでください」と書きました。司書の仕事の邪魔になるのではないか、よけいな仕事を増やしているのではないか、と心配する人も多いからです。
それが仕事なんですよ、というメッセージを最初に書きました。


3〜4pは、

施設案内や開館時間、貸出冊数、商用データベースの説明を入れました。
また、NDCについても、分類名と本の種類について書きました。
あとは、資料の読み方、探し方、調べ方を簡単にまとめました。


5〜6pは、

選書方針と選書プロセスをガッツリ入れました。
どんな風に本って買っているのかしらん、ってフツーに興味があるかな、と思ったので、1どんな情報源から、2どんな条件で、3どんな視点から選書をしているのか、というのを図解したのです。
実際問題、「生徒に必要な本」というだけでは漠としていてよくわからないですものね。


7〜10pには、

おまけとして、図書館での授業実践事例をいくつかと、教員向けの本、生徒指導、進路指導の本、各教科の本、部活の本のかんたんなブックリストを付けました。


こんな構成だと、ギリギリ捨てずに読んでくれるかなあ、と思って作成しました。

実際には、図書館に来館した実習生は半数弱でした。
担当教員との詰めにかなり時間をとられているし、教材研究を深くするのはかなり時間の制約があります。
それでも、体育科の実習生は胎児の成長に関する資料を借りてゆき、実際の授業でも引き延ばして生徒に見せていました。また、社会科の実習生は日本史の本を借りてゆき、教材研究に活用していました。


カードを返却してもらう際にも、「大学へ戻っても、是非図書館を活用してください。きっとお役にたてることがあるはずです」と伝えたりして。。。


教育実習生は要は教師の卵なわけですから、その若い世代に学校図書館が浸透してゆかないとこれからの学校図書館はやっぱり使ってもらえないわけです。
草の根活動やー!と思いながら、ねぎらいの言葉をかけました。


こんなわけで今年度の教育実習生支援は幕を閉じました。
来年もできたらよいなあ、と思います。